Ambivalent and Vague

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雑記および拍手コメント御礼

 皆様こんにちは、管理人のうーたんです。
 なんだかとても暑くて、梅雨明けしていないのに、もう真夏という感じですね。今年はとても暑いとのこと、熱中症にならないようにご自愛くださいませ。
 さて、新年度から生活に変化があったため、ここしばらく創作をすること自体が難しくなっていました。この時期になっても精神的な余裕がなく、ブログの管理自体が難しいのではないかと判断しています。このため、色々な可能性を踏まえて考えている最中です。今は某投稿サイトが活発なので、僻地ブログがどうなってもあまり関係ないと思ってはいるのですが(苦笑)。
 話は変わりますが、先日、リクエストの話を期間限定でアップしていました。既に取り下げておりますが、読んで下さった方、ありがとうございました。


 さて、以下は拍手コメントのお返事です。拍手を下さった方もありがとうございます。
 いつものように話は書けないのですが、コメントの後に小話でも置いておきますね。



 
★Jちゃんさま
 熱いコメントをありがとうございます。冴羽さんは深い闇を持っていて、それはいくら香ちゃんでも癒すことも赦すことも出来ない。ただ、一緒に悩むことは出来る。ここの基本としては、そういう設定です。前に別の方からコメントをいただいたことがあるのですが、他のサイトさんと捉え方が違うのかもしれませんね。だから、ご希望の内容になっているかは定かではないのですが、Jちゃんさまの萌えに寄与していれば嬉しいです。


★プリン餅さま
 バーの話は、冴羽さんとミックの過去と現在、という繋がりになっています。現在編で「昔のおまえは人を寄せ付けなかった」という描写は過去編に雰囲気として込めたつもりなのですが、どうなんでしょう…。ダーク冴羽はですね、私はそんなに考えずに書いてしまっているので、ダーク冴羽の神はプリン餅さまにお譲りします。槇冴のお話は、あまり需要がないようですけれど、自分としてはとても気に入っています。パラレルのご感想、ほぼその通りです。パラレルはタイトルそのままの意味合いなので、どんな時代に生きる二人であっても繋がりは強い、そんなところを大切にしているつもりです。


★バナナナさま
 はじめまして、でしょうか。コメントありがとうございます。冴羽さんは完全無欠ではないと思うのです。今までの経験から自信を持っているところもあれば、わかるからこその弱さや脆さもあるのではないかと。ただ、誤魔化すのはうまそうですけどね。










「仄暗い水の底で」

 その日、撩とミックは新宿の外れを歩いていた。偶然会ったにしては、静かすぎる住宅街だ。
 つい先ほど、一人の存在が消えた。撩が依頼を受け、今回はミックをパートナーに指名していた。撩の鞄には、分解したライフルと武器が入れてある。現パートナーが見たとしても、何をしてきたのかは一目瞭然だ。だから、この仕事の痕跡を消さなければ帰宅出来ないというのに、今日の撩は繁華街に紛れて消す気にはなれなかった。
「じゃ、そのまま帰ればいいんじゃないのか?」
 どうしようかと悩んでいる撩に対し、ミックはドライに言い放った。
「そうするわけにはいかないんだ」
「カオリに言っていない依頼だから?」
「決まってるだろ」
「でも、カオリはちゃんと気付いてるぞ」
 撩が一人で引き受けている依頼があると香は知っているし、撩もまたそんな香に気付いている。しかし、今の生活を、今の二人のバランスを保つためには、気付いていない二人のままでいなければならないのだ。
「なぁ、リョウ。今までもおまえから目を逸らさず、カオリは見てきてくれたんだろ? だったら、こんな依頼のことを言うなんて、簡単じゃないか」
「そういう問題じゃないんだ。まだ時期じゃない」
「なぜ、そう言える? ずっと言わないつもりなのか?」
「そうじゃない。いつかは言うつもりだ」
 なかなか決心しない撩を見て、ミックは少し苛ついてくる。今はかずえという存在がいるミックにとって、やはり香は特別な存在だ。香がいなければ、海原の船でエンジェルダストの呪縛から解き放たれることはなかった。あのまま海原の命令に従い、そして撩のマグナム弾に倒れていたはずなのだ。
 自分を救ってくれた香には、もちろん幸せになってもらいたい。本当は自分がその役目を果たしたいところだが、香の視線の先には、必ず撩がいる。かつてはパートナーを組んだ男だ、その人となりは理解しているつもりだ。だから、自分が身を引くことにしたのだ。
 それがいつまでもこれでは、その意味もなくなる。男の割り切りの悪さは、香が辛い思いをしていいという理由にはならない。
「いつかなんて、やらないのと同じだ。だったら、ボクがカオリをもらう」
「おまえにはかずえちゃんという存在が」
「カズエはわかってくれるさ。もしカオリが手に入るのなら、それぐらいの覚悟は持つつもりだよ、リョウ」
 撩もミックのことはわかっているつもりだ。仕事に関してはドライな男だったから、やると決めたことはやり遂げるに決まっている。香に対するミックの情熱は本物だ。そのことも撩は知っていた。
「もう一度言うぞ。そのまま帰れよ。それがカオリの望みなんだから」
 ミックは撩の親友であり、香のよき理解者だ。ミックが情熱を持って香を引き寄せることが出来たとしても、その先に香の笑顔があるかどうかはわからない。やはり、香には笑っていてほしいのだ。それは撩もミックも願いは一緒だった。
 それでも、撩は踏ん切りがつけられない。
「おまえの側にいること、ただそれだけなんだよ」
「わかってるさ。だがな、俺の側にいれば」
「だったら、何で手離さなかった。カオリの想いを躱そうが何をしようが、結局おまえは側に置いてきたんだろう?」
 側にはいて欲しい。そして、その笑顔をいつまでも自分に見せて欲しい。撩の願いだってシンプルなのだ。だが、これ以上引き込んでしまえば、いくら危険になろうがどうしようが、もう香を手放すことは不可能だ。この腕でどこまでも囲い、溺れさせて撩から離れる意思すら奪ってしまうだろう。
 このまま帰れば、今夜の仕事で染みついた血と硝煙が彼女にこびりついてしまうのだ。
 彼女には、白くあって欲しい。
「だからっ、これ以上この臭いを」
「おまえは、今初めて血と硝煙にまみれたわけじゃないんだよ。俺たちはずっと、こいつらと死の臭いがこびりついているんだ。そんなおまえに、今までカオリが手を伸ばすのを躊躇ったか?」
 ミックが静かに、しかしどこか怒りを含めて言った。そして、撩はハッとする。そうなのだ、再会したときだって、ユニオンとの最初の闘争のときだって、香は側にいて手を伸ばしてきていたのだ。彼女の目の前で躊躇いなく人を殺したというのに、香は何一つ言わず、むしろ自分に縋り付いた。
「おまえは汚したくないと言いながら、とっくのとうに汚しているんだよ。いい加減気付け!」
「……」
 ミックの言う通りだった。香は手を汚していないというだけで、その存在には撩の匂いがこびりついている。反論できる言葉を撩が持つはずもなかった。沈黙した撩を、まだ悩んでいると捉えたミックは、もう一言付け加えた。
「沈黙は肯定だぜ、リョウ。汚したって、カオリは変わらない。…引きずり込めよ、愛しているのなら」


 そのまま撩とミックはアパートまで歩き、それぞれの家へと辿り着いた。別れ際、ミックはチラリと撩を見ただけで、特に何も言わなかった。あの住宅地で、ミックは言いたいことを伝えたつもりだ。





 撩が帰宅すると、香はまだ起きていた。リビングでにこやかにテレビを見ている。
「撩、おかえりなさい」
 香は笑顔で撩へ手を伸ばしてくる。その美しさが眩しくて、自分なんかに躊躇いなく手を伸ばさせてしまうことが哀しくて、撩は香を抱きしめた。これなら、顔を合わせなくても香の体温を感じることができる。
「りょ、撩っ!? ねぇ、どうしたの?」
 想いを寄せている男にいきなり抱きしめられれば、いつもの香なら顔を赤くして固まるだけだ。だが、今の撩はどこか思い詰めているようだった。それは香のことかもしれないし、他のことかもしれない。そんな撩が自分を求めてくれるというのならば、香は喜んで撩の腕に包まれようと思っていた。
 撩は、香に赦してほしいとは思わない。香はきっと優しく、「大丈夫だよ」と赦してくれるはずだ。しかし、そう香がしてくれたところで、赦されたと思うかどうかは自分自身の問題だ。さらに言えば、そもそも撩は自分の闇を全部香に見せようとは思っていない。香に見せるには、自分の闇はあまりにも大きすぎる。香を闇で潰すことは本望ではない。自分の苦悩を全て、香に開示するつもりもないのだ。
 きっと引き摺りこんでしまったら、香を守ると見せかけて閉じ込め、彼女から自我を奪ってその全てを支配するだろう。撩という存在しか認識できない、愛しい香。海底のように光も音もない、二人だけの世界。
 彼女を堕とすことは、撩にとって実はそう難しいことでもない。
 だから、今すぐ悪魔に成り果てることはない。いつだってなれる。


「撩?」
 再び向き合わせになると、香が撩をじっと見つめる。香の瞳には、彼女を見つめる撩自身が映り込んでいる。真摯な瞳の下には、何かを思わせるように唇が笑みをかたどっていた。
 撩が罪を重ねても、血濡れた手が乾かなくても、香は撩に手を伸ばしてくれていた。さっきも当然のように手を伸ばしてきた。
 いつも二人で笑っていられるような、同じことを繰り返す日常がここにはある。自分がやっていることを振り返れば、それこそが異常なのだと思いながら、日常に擬態した非日常に滑り込んでいる。撩にとって、今はそれだけで良かった。
 そのはずだった。


 様々な考えが撩の頭の中に渦巻く。今のままでいい、次に進みたい。そのどちらも偽らざる気持ちで、拮抗している。ただ、ミックの言葉と香の態度が、次に進みたい気持ちを大きくしていた。
 すぐに悪魔に成り果てることはない。だが、二人にとって最後のゲームをスタートしても悪くはないのかもしれない。ゲームはすぐに決着がつくはずもない。香が最後に目にするのが悪魔だったとしても、結末を選ぶのは撩と香の二人だ。


 自分を誤魔化すことを止めよう、撩はそう決意した。


「香…」


 もう、愛することを赦してくれ。そう思いながら。

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好き勝手に書き散らかしておりまする。書いたお話は、まるで千歳飴(どこ切っても同じ)。タニシのようにひっそりと生息中。

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